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土地やマンションなどの不動産を売却すると、税金が発生します。
この税金は、利益が出た場合・損失が出た場合・不動産の所得期間などによってかかる項目が変わってきます。
また、それぞれのパターンごとに受けられる特例控除があるので、知らないと損をしてしまうことも。
今回は、不動産売却のパターンごとに、かかる税金や特例控除、確定申告の流れなどについて解説します!
不動産を売却すると、必ず税金が発生します。
税金には「必ずかかる税金」と「譲渡所得が発生した場合かかる税金」が存在します。
売却金額が取得費よりも低くなり、マイナスになってしまった場合は「必ずかかる税金」のみかかることになります。
不動産を売却して必ずかかる税金は2つです。
まずは登録免許税です。
登録免許税とは、不動産の所有者が変更になる際に登録(登記)にかかる税金のことです。
不動産売却時に売主が負担する登録免許税は、抵当権を抹消する登記費用です。
費用は不動産1つあたり1,000円です。
一戸建てを売却する場合は土地と建物それぞれ1つずつの不動産とみなされ、合計2,000円かかります。
登記に関しては司法書士に依頼をするのが一般的です。
司法書士に支払う費用は税金ではありませんが、1~2万円ほどが目安です。
参考:イエウール https://ieul.jp/column/articles/33/
収入印紙税は、売買契約時に貼付する収入印紙に支払う税金のことです。
不動産を売却するときの売買契約書は課税対象の文書です。
収入印紙はコンビニエンスストアなどで購入できます。
売買契約書に購入した収入印紙を貼り付けることで、間接的に納税をすることになります。
収入印紙税は、2020年3月31日まで軽減税率が適用されています。
不動産の契約金額によって税金の金額は異なります。
2000円~10万円の幅があり、軽減税率が適用されると1000円~6万円になります。
参考:イエウール https://ieul.jp/column/articles/33/
譲渡所得が発生した場合、つまり利益が出た場合は以下の税金がかかります。
譲渡所得税の計算方法は以下のとおりです。
譲渡所得とは、売却した金額から購入金額やかかった経費を差し引いた金額。
経費が分からない場合は、売却金額の5%で計算しましょう。
譲渡所得税額とは、それに決まった税率を掛け合わせた金額です。
課税所得税額の税率は、不動産の所有期間によって異なります。
税率は「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」の2種類。
不動産の所有期間が売却した年の1月1日時点で、5年を超えているかどうかにより区分が変わります。
簡単に説明すると、不動産を所有していた期間が長いほど税率は低くなり、支払う税金も安くなります。
区分ごとの税率は以下のとおりです。
不動産所有期間区分ごとの税率
区分 | 所得税 | 住民税 |
長期譲渡所得(5年超) | 15.32% | 5% |
短期譲渡所得(5年以下) | 30.63% | 9% |
参考:小田急の仲介 https://www.odakyu-chukai.com/sell/column/article6_column.php
不動産を売却したときに支払う税金は、所有期間が5年以下だったり、取得費に関する書類が不足していると、数百万円以上かかることもあります。
売却して利益が出たとしても、これはかなり負担ですよね。
不動産を売却したときには、所定の要件を満たした場合、税金特別控除や特例があります。
先ほどご紹介した税率は、この控除や特例を見込んでいない数字です。
控除や特例の種類は3種類あります。
それぞれの条件を確認し、該当するかどうか見てみましょう。
まず代表的な控除は「3000万円の特別控除の特例」です。
3000万円特別控除とは、一定の要件を満たしたら、課税譲渡所得から3000万円控除を受けられる特例です。
要件の大事な部分は「マイホームかどうか」です。
投資用の不動産で、居住していない場合は該当しません。
計算方法は以下の通りです。
課税譲渡所得=売却金額ー(購入価格+購入時経費+売却時経費)ー特別控除
課税譲渡所得が3000万円に満たない場合は、特別控除額は課税譲渡所得の金額が限度になります。
不動産売却において非常にメリットの大きい特例です。
また、この特例はマイホームという定義に該当すれば、所得期間の制限がありません。
所有期間が5年以下で税金の高さに驚いた方も、定義に当てはまれば控除を受けられるので負担が軽くなりますね。
参考:スマイティ https://sumaity.com/sell/press/233/
次にご紹介する特例は、長く不動産を所有していた人にメリットがあるものです。
先ほどご紹介した「所有期間区分」は5年を超えているか・5年以下かという2つの区分でした。
こちらの軽減税率は、不動産を譲渡した年の1月1日時点で不動産の所有期間が10年を超えている場合に適用される特例です。
3000万円特別控除と同様に、マイホームという定義を満たすことが必要です。
さらに、3000万円特例控除にも該当する場合は、3000万円特例控除を受けた後の課税譲渡所得に対して軽減税率をかけることができます。
課税譲渡所得が6000万円を超えるかどうかで軽減税率の数値は異なります。
軽減税率の特例
課税長期譲渡所得金額 | 所得税 | 住民税 |
6,000万円までの部分 | 10% | 4% |
6,000万円を超える部分 | 15% | 5% |
参考:国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm
不動産所有期間が5年以上10年未満の場合の税率が合計20.32%なのに対し、10年を超えると14%と大幅に節税できることが分かります。
不動産を売却する方の中では、買換えのために売却をする方も多いでしょう。
こちらの特例は、そのような方の負担を減らすものです。
特定の居住用財産の買換え特例の要件は以下のとおりです。
こちらの特例を受けると、譲渡益の課税を繰り延べることができます。
つまり、来期に持ち越すということで、金額自体が減るということではありません。
先ほどご紹介した「3000万円の特例控除」と「軽減税率の特例」とは、選択適用になるので注意しましょう。
参考:スマイティ https://sumaity.com/sell/press/233/
参考:国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm
不動産を売却して、必ずしも利益が出るとは限りません。
不動産の売却金額が購入金額や経費を足し合わせた金額より安くなり、損失(譲渡損失)が出るケースもあります。
譲渡損失が出た場合も、要件に当てはまれば控除を受けられます。
不動産を売却して譲渡所得が出た場合(つまりプラスになった場合)は、所得税・住民税・復興特別所得税が課税されます。
一方、マイナスになってしまった場合は、売却した年のその他の所得と相殺して、所得税・住民税を控除してもらうことができます。
しかし、もし売った年の所得よりも譲渡損失の方が大きい場合は相殺しきれません。
そのような場合は、売った年の翌年~最長3年間の所得まで繰り越して差し引ける「繰越控除」を受けることができます。
つまり、不動産を売却した年と合わせて最長4年の間、所得税・住民税が最大でゼロになるのです。
特例は、マイホームを買い換えるか・買い換えないかによって変わります。
不動産を売却して新たにマイホームを買い換える場合の条件は以下の通りです。
なお、控除される敷地面積は500㎡までの部分のみです。
不動産を売却して、賃貸や実家に引っ越した場合も、条件を満たせば税金控除を受けることができます。
条件は以下の通りです。
この場合の譲渡損失は、住宅ローン残高から売却金額を差し引いた金額が限度額になります。
特例を受けると、この金額について損益通算や繰越控除をすることができるのです。
参考:SUUMO https://suumo.jp/article/jukatsu/baikyaku/zeikin/tokurei/
親や親族の不動産を相続して、売却する方も多いと思います。
相続した不動産を売却する場合は、その家に居住しているかどうかによって税金に違いがでます。
どちらの場合も譲渡所得が出た場合は所得税・復興特別所得税・住民税が発生しますが、居住財産かどうかによって受けられる控除が変わってきます。
相続した不動産に住んでいた場合は、居住財産(マイホーム)となります。
売却して譲渡所得が出た場合は、様々な控除が受けられます。
条件などは、先ほどの内容と同様です。
参考:スーモ https://suumo.jp/article/jukatsu/baikyaku/zeikin/souzoku/
相続した不動産に住んでいなかった場合は、原則として所得税・復興特別所得税・住民税がそのまま課せられることになります。
しかし、相続した不動産が空き家だった場合は、要件を満たすと譲渡所得から3000万円を控除できる特例があります。
これを、通称「空き家の3000万円特別控除」といいます。
売却する不動産には条件があります。
などが条件なので、建築に関する書類を確認するようにしましょう。
また、控除を受けるための要件はいくつかあり、例えば以下の内容があります。
特に、相続から売却までの期間には注意をするようにしましょう。
また、空き家の3000万円特別控除を受ける際の確定申告には、市区町村の窓口で発行する「被相続人居住用家屋等確認書」の添付が必要になります。
この書類を発行するためには、不動産を売却したときに空き家であったことを証明する書類が必要です。
売却時の広告のコピーなどが証明書類になるので、保管しておきましょう。
参考:スーモ https://suumo.jp/article/jukatsu/baikyaku/zeikin/souzoku-tokurei/
確定申告が必ず必要なパターンは、「譲渡所得が発生した場合」つまりプラスになった場合です。
「譲渡損失が発生した場合」つまりマイナスになった場合は確定申告は絶対ではありません。
しかしながら、先ほどの特例控除の要件に当てはまる場合は、確定申告をしないと特例を受けることができません。
要件に当てはまるかチェックをして、確定申告の準備を進めるようにしましょう。
不動産売却後の確定申告は、自分で行う方法と税理士に依頼をする方法があります。
個人で確定申告をする場合は、税務署や市区町村の役所などの臨時会場で行う場合と、自宅で行う場合があります。
税務署や市区町村の役所では、確定申告の時期が近づくと、税理士による無料相談会を実施していることがあります。
相談をしたい場合や、何から始めればよいか分からない場合は是非行ってみましょう。
まず、確定申告に必要な必要書類を準備します。
2月16日~3月15日が確定申告の期間なので、混雑する前の年末から準備をスタートするとスムーズです。
用意した書類に記入をしていきます。
この際、税務署などで入手した書類に手書きをすることもできますが、一番効率的なのはパソコンで国税庁のホームページから作成することです。
自動計算をしてくれるのでミスもなく、入力は案内に従って進めることができます。
また、操作で不明点が出たときには問い合わせ専用窓口があるので、相談しながら入力をすることができますよ。
書類が揃ったら、確定申告の書類を提出します。
提出方法は以下の3通りです。
おすすめはe-Taxで提出することです。
特に、自営業や副業などで毎年確定申告をしている方にとっては、e-Taxの手続きを初年度にしておくことで今後がとても楽になります。
税務署は確定申告の時期とても混雑します。
また、平日に行こうとしても、仕事で難しい方も多いでしょう。
e-Taxを使えば、いつでも自宅から提出ができるので忙しくても確定申告ができます。
また、還付を受ける場合も郵送や直接持参のものより早く受けることができるメリットがあります。
e-Taxを使うには、ネット上で本人確認ができる「電子証明書」が必要になります。
代表的なのはマイナンバーカードです。
マイナンバーは通知カードではなく、市区町村の窓口で取得するカードです。
次に、e-Taxの利用申込みをします。
「マイナンバーカード方式」もしくは「ID・パスワード方式」で利用申し込みをします。
2019年1月から導入された「マイナンバーカード方式」を利用すれば、税務署に専用IDやパスワードを受領しなくてもe-Taxが使えるようになり、より便利になりました。
マイナンバーカードをまだ持っていない方は「ID・パスワード方式」になり、税務署で対面による本人確認が必要になります。
参考:freee https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/etax-profit/#content4
納税が必要になったら、納税は以下の方法で行います。
e-Taxで確定申告をしていれば、そのまま納付まで完了することができます。
還付を受ける場合は、金融機関の預金口座に振り込まれます。
振り込みを受けたい口座を申告書に記入しましょう。
参考:小田急 https://www.odakyu-chukai.com/sell/column/article6_column.php
不動産を売却すると、登録免許税・収入印紙税という2種類の税金が必ずかかります。
また、売却して譲渡所得が出ると発生する税金もあります。
譲渡所得が発生したときの税金に対しては節税につながる特例控除があります。
また、譲渡損失が発生し赤字になってしまった場合も、還付を受けられる特例控除があります。
どちらの場合も確定申告が必要になりますので、要件を確認し、早めに準備をするようにしましょう。
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